人里離れた山の上にポツンと立っているサナトリウム。昔は天文台だったこの建物の無菌室で暮らす主人公。
彼女は原因不明の病気によりこれまでの生活全てを失った。そのショックは彼女の中に新しい人格たちを生み出すこととなり、彼女はますます消耗し、何も感じないように生きていた。
そんな折、彼女は天文台時代から使われている机の中から古ぼけた日誌を見つける。それは、天文台の管理人だった男の日誌。100年前、夜の大空を見つめていた男の言葉に彼女は夢中になる。その日誌の最後には、こう書かれていた。
「ばあちゃんが言っていた・・・人生がお前にすっぱいレモンを与えたら、お前はそれで甘いレモネードを作るんだよ。そうだ、俺はレモネードが飲みたい。」
それを読んで、彼女は自分のレモンとレモネードのことを考える。
そして、一つの行動を起こし始める。・・・自分の人生を取り戻すために。